経営学研究者の卵の日常。

26歳、経営学の大学院生。基本的には自分の頭の中の整理と備忘録。神戸在住で北海道に住んでいました。

震災後のデマにどう対処すべきなのか?

北海道で大きな地震がありました。

実家も友人たちも無事です。停電が地震発生後から1日〜2日続きました。

今も流通など大きな障害がありますし、余震に不安な日々が続いております。1日も早く平穏な生活が訪れることを祈るばかりです。

また、関西では台風で多くの人が被害を受けました。今も停電の場所がありますし、北海道の地震の報道が大きくなり、報道の偏りがTwitterで議論されています。

 

僕自身は、何もできないことの不甲斐なさを実感しています。

ボランティアなどの支援は今後する機会があればしようと思いますが、まだまだ復旧には時間がかかりそうなので外部の人が支援することすらなかなかできません。

 

それでも、情報収集とTwitterでの発信、Yahooの募金や楽天の募金はしております。

 

donation.yahoo.co.jp

 

corp.rakuten.co.jp

 

さて、今回の地震に関するあらゆるデマが散見されることに僕は大きな憤りを感じるとともに、どのようにデマに対処すればいいのかを考えてみることにしました。

 

先日、学部時代の北海道在住の同期が「デマかもしれないけれど」と前置きした上でLINEで情報発信をしていました。さらに、Twitterでは「デマでもいいから不安を煽り、余震への準備をすることは大切だ」といった意見もありました。

 

デマの内容は、「いつもより波が高いから海上保安官が、地震が4〜5時間以内に起こるかもしれないと言っていた」というものや、

自衛隊が厚真で地響きを感じているから近いうちに大きな地震が来る」といった情報がありました。

 

デマの何が悪くデマにどう対処すればよいのでしょうか。

 

まず、デマの何が悪いのか。

デマを発信する側は、少なからず受け手に混乱を与えます。

ただでさえ余震で不安な上にさらなる精神的な負担を与えることにもなりますし、その後の行動まで変えてしまう可能性もあります。

もしデマが繰り返し流されると、本当に気をつけなければならない情報を見逃したり、今後の情報への不信感を煽ってしまいます。

このように、デマは心理的な影響を与えると言えます。

 

ではデマにどう対処すればいいのでしょうか。

デマを簡単に信じてしまう人は、科学リテラシー情報リテラシーを身に着けましょう。デマと正しい情報を見分けるためには、最低限の科学の知識批判的思考が必要になります。

こう書くと大層なことのように感じられますが難しくはありません。

 

先程あげたデマを例に出します。

海上保安官いつもより波が高いから地震が4〜5時間以内に起こるかもしれないと言っていた」

 

この情報は明らかに信憑性がありません。例えば、次のような批判ができます。

海上保安官地震予測はできない(今の科学では地震の研究者ですら正確には予測できません。地震予測ができるなら今回の地震も予測できたはず)。

 

②波が高いことと地震が生じることの因果関係はない。

波の高さは天候など様々な影響を受けて決定されるものです。風が強さ、天気、潮の満ち引きなど、様々な変数に影響されて波の高さは決定されます。

さらに、波の高さが地震の発生に影響する理論を聞いたことがありません。

あるとすれば、地震発生後の津波到来前に潮が引く現象があることもありますが、ない場合だってあります(補足:以下の気象庁津波発生と伝播のしくみ参照)。

 

www.data.jma.go.jp

 

③いつから4〜5時間なのか分からない。

情報が発信されたのがいつなのか分からない時点で、信憑性が低くなります。

TwitterなどのSNSではリアルタイムで情報が発信されていますが、リツイートやいいねの情報は正確な時系列になっていません。

特に、震災直後には状況が刻々と変わるので、いつ情報が発信されたのかを確かめる作業は非常に大切なことです。

 

④ソースが分からない。

情報元が誰(どのメディア)なのか分かりません。知り合いの知り合いの名前も分からない人の話を信じられますか。

話は少し逸れますが、論文を書くときに孫引きはご法度です。

Aさんが書いていたことをBさんが引用したとします。孫引きとは、Bさんの論文だけ読んで(引用して)Aさんの言葉を引用することです。

これと同じく、必ず情報発信元にアクセスすることと、その情報源が信頼に値するかどうかを判断することが必要です。

 

さて、こんなこといちいち考えてらんねーよと思うのは分かりますが、善意で拡散したとしても他人を混乱させることだってあるのです。支援をしたいのであれば、正しい情報を集め発信すべきです。僕もTwitterで発信するときも間違った情報を流さぬよう細心の注意を払っています。

 

今回のデマを受けて、僕はポストトゥルース的世界だなと少なからず衝撃を受けました。

すなわち、このようなデマを鵜呑みにする人というのは、情報の正確さよりも個人の感情的な判断で情報を選択しています。

 

ちなみに、ポストトゥルースという言葉は、2016年にトランプ大統領が大統領選挙で当選したときに話題になりました。フェイクニュースを真に受けた人たちが多く、そのまま投票数にも影響したのではないかという報道が当時はされていました。

 

ポストトゥルース的世界は、何が正しくて何が間違っているのかが曖昧になっている状況です。

そのときに信じるのはどんな情報ですか?

家族が言っていたから?友達が言っていたから?Twitterの有名人が発信していたから?

突き詰めると、結局信じられるのは自分だけですし、自分の身は自分で守らなくてはならないのです。

ポストトゥルース的世界とは、自己責任的・個人主義社会でもあるのです。

 

たとえ善意で拡散したとしても誰かを混乱させてしまうこともあるのです。

そんなに気を張ることはないのかもしれないですが、平穏な生活のために何とか乗り切りましょう。

 

www3.nhk.or.jp

 

ひで