経営学研究者の卵の日常。

26歳、経営学の大学院生。基本的には自分の頭の中の整理と備忘録。神戸在住で北海道に住んでいました。

AIとともに君はどう生きたいか?

 本日、京都大学で落合陽一先生、陰山英男さん、鈴木寛さんの講演「AIとともに君はどう生きたいか?」があり、参加したので、内省的に整理をしていく。

 

 今回の講演で、個人的に面白い・興味を持ったことをピックアップして羅列していきたいと思う。

 まずは、落合先生の講演から。

 

 近代(モダン)は、観察→理論→実行、データ集めのプロセスで研究をしてきた。一方で、デジタルネイチャ-では、データ集め→AI→理論、解決のプロセスに変化していくことを提言していた。

 デジタルネイチャーの方法論に依拠することは、非中央集権、すなわち自然に近いやり方である。これは、東洋の文化と親和性が高いと考えられる。

 僕自身、これは非常に興味深い示唆であるが、まだ理解が追いついていない。

 

 多様性についても言及していた。これまでは同じ音や光(同じテレビ番組)を感受していたため、多様性がなかったが、これからの時代はどんどんメディアも多様化し、同じようなインプットをすることがなくなっていく。

 このような多様化した人々や人が考えるあらゆる知識は、オリジナリティのあるものになると僕は、解釈した。そして、それらは「事事無碍」的に互いに作用しあうものになっていく。

 

 教育に関して言えば、近代の制約、庇護、協調、統一感の指針から、自由、責任、チームワーク、スタンドプレーの指針が適応していくと主張していた。これは、近代は、キャリアパスが多様ではなかったが、21世紀は多様なキャリアパスがあるためである。ちなみに、大学教育機関、すなわち、研究者のキャリアパスも同様に、多様化しなければならない。

 さらに、教育の役割は、アート、サイエンス、エンジニアリング、デザインの象限を網羅することが求められる。

 アートはときに理解されにくく、複雑性がある(ex. ピカソの絵)一方で、デザインは、きれい、シンプルなものである(ex. iPhone)。

 サイエンスは、人によって関心が異なるようなリサーチである一方で、エンジニアリングは、共感されやすい方法論である。

 

 最後には、具体的な提言として、近代の言葉のアップデートをすべきであるという主張をされていた。

 「社会」という言葉は、宗教団体的な言葉である一方で、「会社」はギルドやクランのような意味が内包されている。しかしながら、過労死など現象と言葉の接合がうまくいっていない齟齬がうまれている。

 そのため、日本語のアップデートをしなければこれからどんどん理解のしづらいカタカナが増えることになる。

 以上が、個人的に面白いと思った落合先生の講演のトピックである。

 

 次に、パネルディスカッションの話を振り返ってみる。

 

 落合先生のラボでは、基本的にほっとく、締め切りを守る、テンプレを持つなどの要点を述べていた。テンプレはコンサルの手法論的に、論文の書き方、外注のかけ方などさまざまなことへの枠組みがある。また、議事録をとることで、いつでも過去にさかのぼって調べられるようなシステムを構築している。

 

 大学入試改革では、キーワードとして没入される環境づくりがしきりに議論されていた。

 生徒の自由度を高め、授業以外の時間の活用を進めていくことが必要である。クリエイティブなものを生み出すためには、ロジックだけで片付かないようなアートの側面に注目することが必要であり、それは授業では得ることができない。

 小学生が一番何事にも没頭しているのにもかかわらず、年齢を重ねるにつれて、その没頭感が薄れていくことが問題であるとし、今の教育システムが没頭することへの障害となっている可能性があることを示唆された。

 そもそも、学校の時間割は、工業社会に適用されてきたものなので、8時から夕方まで学校に拘束される必要がない。

 

 最後に、雑多に感じたこととして、研究とはある種修行であると述べておられ、だからこそ好きでなければ続けられないのだと改めて思った。

 また、世の中へのコミットメントをするためには、モノをしっかり見ることの重要性と不足を指摘していた。これは、僕自身が大学時代のゼミの先生も主張していたことなので腑に落ちた。

 徹底的に1つのモノを見つめなければ、興味もわかない、すなわち、研究すべき問いが見出せないということである。

 それができる仕組みが今の学校教育にはないんだろうなと思うし、生徒や学生もその訓練をしていないから、何も感じない、興味を持たない人が多いのだろう。

 

 メモと記憶を頼りに急いで書いたのでつたないが以上をレポートと雑感とする。

 最後に、生で落合先生を見れたことももちろん価値があるし、それを企画してくれたROJE関西に感謝したい。

 個人的には、もっとテーマを絞ってもよかったかなと思う反面、網羅的に議論できたので、これからの思考のきっかけとなるだろう。

 

ひで