経営学研究者の卵の日常。

25歳。経営学の大学院に通う、研究者の卵です。基本的には自分の頭の中の整理と備忘録、”研究を日常に落とし込むこと”が目的の日記です。神戸在住。北海道に住んでいました。食べることと、カッコいいものが好きです。

コンティンジェンシー理論

コンティンジェンシー理論とは、簡単にいうと、環境と適合した組織が有効であるという理論です。

 

日本語に無理やり訳すと、偶有性理論です。

バーナードが、理論は有用性に足ればいいと述べたように、コンティンジェンシー理論は、ひとまずの知識としての理論という側面を強調しています。

 

コンティンジェンシー理論の特徴として広く知られているのは、オープンシステム論であったり、客観的成果を重視したことだったり、中範囲の理論ということです。

 

オープンシステム論というのは、外部環境に影響するということです。

 

客観的成果の重視とは、クール・アプローチとも言われ、主観的な個人の動機(今日のモチベーション論に関わる側面)には注目せずに、組織と外部環境に注目するということです。

 

中範囲の理論とは、理論の一般化や普遍性があるわけではなく、実証研究として、ある程度の有用性があるという意味です。

 

さて、コンティンジェンシー理論はこのような一般的理解がなされていますが、本当にそうなのか疑ってみます。

 

コンティンジェンシー理論の議論の中でも、特にウッドワードの技術決定論と絡めて、話を展開していきます。

 

まず、コンティンジェンシー理論はクール・アプローチの立場を取るということですが、必ずしもそうではありません。

 

なぜなら、外部環境の中には、個人も想定されるからです。これは、バーナードの組織の定義の話にも関わります。つまり、バーナードは、組織は人ではなく体系であり、組織と個人を分けています。

 

バーナードが提唱した、個人が組織に参加することで組織と関わりを持つ組織均衡論の概念では、個人は環境であると考えられています。

 

コンティンジェンシー理論もこの考え方に基づいて議論されており、決して個人に注目しなかったわけではありません。たとえば、フィードラーの状況適応理論では個人の動機が変数として取り上げられています。

 

ただ、実はコンティンジェンシー理論が、クール・アプローチと言われても仕方がなかったのは、当時(1960年代〜1970年代)の経営学の背景が関係しています。

 

当時は、ホーソン実験に代表される人間関係論や、その後に展開された新人間関係論のように、個人の動機づけに注目された研究が主流でした。当時の個人の研究は、今日におけるモチベーションやリーダーシップなどのいわゆるミクロ経営学の源流にもなっています。

 

しかしながら、企業が経営するにあたっては、個人の動機だけではなく、企業が持っている技術やノウハウも重要です。

だから、ウッドワードは、古典的な管理原則や人間関係論に偏重したことに対する批判として、技術変数に注目して、研究をしました。

 

このように、コンティンジェンシー理論で一般的に言われていることは必ずしも説明が網羅されているわけではありません。

 

他にも、コンティンジェンシー理論は、オープンシステムであるのか?とか疑えばキリがないですが、今日はこの辺で。

 

「定説を疑うこと」

僕が大学院で学ぶ意味の1つがこれであったと言えるでしょう。

理解しようと噛み砕けば、面白いです。

 

ひで